安全・安定輸送の確保

安全に対する基本的な考え方

安全・安定輸送の確保は、鉄道事業の原点です。当社では、安全は輸送業務の最大の使命であるとの認識のもと、関係法令等に基づき各種社内規程等を整備し、安全対策を組織的に推進するための体制づくりを進めるとともに、ハード・ソフト両面から様々な取組みを推進しています。安全・安定輸送をお客様に提供することが当社の使命であり、この使命を将来にわたり果たし続けることによって輸送機関としての責務を果たしていきます。当社では、輸送の安全の確保に関わる社員の基本精神として「安全綱領」を定めています。これは1951年の京浜東北線桜木町駅における事故を契機として国鉄時代に制定されたものであり、輸送業務は尊い人命と財産を預かるという責任ある重要な業務であるがゆえに、安全については、すべての社員がその職責の如何を問わず全力をあげて安全を確保し、特に人命については他の何よりも優先して守るべきという、心構えと道義的な自覚と態度が必要であることを具体的に表したものです。安全に関する様々な取組みの結果、特に東海道新幹線においては1964年の開業以来、約66億人のお客様にご利用いただき、乗車中のお客様が死傷される列車事故ゼロを継続しています。今後も安全・安定輸送の確保を最重要課題として、さらに高いレベルでこれを実現できるよう不断の取組みを進めていきます。

2020年度の重点実施事項

運転事故防止対策ならびに労働災害防止対策を計画的かつ重点的に推進するため、年度ごとに重点実施事項を定めています。2020年度は、安全確保のための普遍的な考え方として、「安全最優先の文化の醸成」「一人ひとりの安全の実行力の向上」「安全に関する仕組みの強化」の3つの柱を「安全の取組み指針」と位置づけました。安全綱領及び安全の取組み指針に基づいた重点実施事項に対して、全社員が一丸となってソフト・ハードの両面から重大な運転事故及び労働災害の根絶に取り組むこととしています。

安全管理体制

輸送の安全の確保に向けた業務体制

当社では、鉄道事業法に基づき、安全の水準の維持・向上を図ることを目的に、輸送の安全を確保するために遵守すべき事項を取りまとめた「安全管理規程」を2006年9月に制定しています。この規程において、輸送の安全の確保に関する業務体制と安全に関する管理者の責務を定めています。安全に関する主要な管理者の責務としては、まず社長が運転保安に関する重要な事項を決定することとしています。また、安全統括管理者、運転管理者及び乗務員指導管理者を指定し、それぞれの責務を定め、輸送の安全の確保に関わる本社内各長等の役割等を明確化し、一貫した体制にて安全対策の確立・推進を組織的に行っています。

安全に関する主要な管理者の責務

安全推進委員会

鉄道運転事故及び労働災害の防止に関する事項等を重点的に審議し、効果的な対策を立案・推進するため、本社に鉄道安全推進委員会を設置し毎月1回開催しているほか、必要に応じ専門委員会を置き、それぞれの専門の事項を集中審議しています。また、鉄道事業本部や支社単位等でも、それぞれ安全推進委員会を開催しています。安全推進委員会で決定された事項は、地区安全推進検討会を通じて、現業機関の社員に周知・徹底しています。

安全監査

当社の業務機関及び関係会社を対象に、運転事故防止や労働災害の根絶を目的として安全監査を実施しています。法令・規程等の遵守状況の確認、過去に発生した運転事故・労働災害の対策の徹底状況確認、事故を未然に防ぐための作業実態の確認という3つの視点で実施しています。監査では作業が行われている現場や検査・工事等に関わる帳票類を確認することにより、日々の業務実態を検証し、結果を社内の関係部署や関係会社と共有することで、法令違反、過去事象対策の風化、ルールの形骸化等を未然に防止するように取り組んでいます。

安全監査の様子

安全の確保に関する人材への取組み

安全を支えるためには、設備の改善・改良と仕事の進め方をより確実なものにブラッシュアップし続けることが大切ですが、その大前提として、安全を支えるための高い技術力や強い意志、正しい価値観を持つ人材の育成が不可欠です。人材育成をする上では、自らルールを遵守する「規律」、品質を維持・向上し事故を防止する「技術力」、関係する社員と連携・協力し一人ひとりが責任をもってやり遂げることにより得られる「一体感」が大切であると考えています。これらに重点を置いて、社員の育成、教育訓練に取り組んでいます。

技量向上訓練

当社は、運転業務や設備保守に従事する社員等に対し安全に関する教育訓練を実施しています。特に運転業務に携わる社員(運転士、車掌、指令員等)には、担当業務ごとに定められた内容・時間に基づいて教育や訓練を実施しています。
また、運転士や車掌が異常時の取扱い等を模擬訓練できるシミュレータ装置を現業機関に導入しているほか、異常時において迅速かつ正確に対応できるように、実際の車両や線路等の地上設備を使用した様々な訓練を実施しています。

不測の事態に備えた社員教育

通勤や出張の際に不測の事態に居合わせた場合も、社員がお客様の安全確保のために職責をこえて乗務員等と一致協力し適切に対応できるよう、全社員を対象に教育を行っています。

不測の事態に備えた社員教育

異常時対応訓練

当社では、事故復旧即応体制の充実及び他系統の業務を学ぶ機会として、各種訓練を毎年実施しています。2019年度も、自然災害や、不測の事態等が発生したとの想定で、旅客救護訓練、情報伝達訓練、沿線設備復旧訓練等の実践的な訓練を実施しました。

旅客救護訓練

テロ対応訓練

各種研修

総合研修センターでは、実際の業務場面で発生する様々な事象を模擬できる各種訓練設備等を活用し、各職能に応じた専門的な知識・技能教育、各種資格の取得講習、車掌・運転士養成等を行っています。

新幹線車掌訓練

安全のための設備投資

安全に関する設備投資については、会社発足当初から積極的に実施しており、東海道新幹線のATC(自動列車制御装置)やCTC(列車集中制御装置)の更新、在来線のCTCの導入・更新やATS(自動列車停止装置)のATS-PTへの取替等の保安対策をはじめとして、耐震補強等の防災対策、電気設備改良、車両の新製取替、効率的かつ効果的な検査機械・システムの導入等、2020年3月期までの33年間に、総額3.8兆 円を超える安全関連投資を行っています。2020年度についても、鉄道事業の原点である安全・安定輸送の確保を最優先に取り組みます。地震対策をはじめ構造物のさらなる強化に向け、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策について、脱線防止ガードの全線への敷設を進めるほか、地震による駅の吊り天井の脱落防止対策や名古屋工場、在来線の高架橋柱等の耐震化を進めます。また、より安心して鉄道をご利用いただけるよう、ホーム上の可動柵については、新幹線では新大阪駅への設置工事を進め、25、26番線に続き、今年度は23、24番線で使用を開始します。在来線では、金山駅の東海道本線への設置工事に取り組み、上り線の使用を開始します。これらの取組みにより、新幹線、在来線及び関連事業への総設備投資額の約7割に上る2,340億円を、安全関連投資として計画しています。

安全関連投資額の推移

東海道新幹線

大規模改修工事

土木構造物は、日々の入念な点検・補修により健全性が十分に保たれています。しかし、将来は経年劣化による大幅な設備更新が必要になることから、当社では、全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道大規模改修引当金積立計画について、国土交通大臣の承認を受けて2002年から引当金の積立てを開始するとともに、並行して小牧研究施設を中心に工法について研究を進めてきました。研究開発の結果、工事実施時の列車運行支障を大幅に低減し、工事費を大幅に縮減できる新たな工法を開発できたことから、当初計画を前倒して2013年度から工事に着手しました。工事は、経年によるひび割れ等の変状の発生自体を抑止することで構造物の延命化を実現する対策(変状発生抑止対策)を先行して実施し、必要により桁の取替といった全般的な改修(全般的改修)を実施します。
2012年度までに3,500億円積み立てた引当金は、2013年度から年間350億円ずつ取崩しを行っています。今後も技術開発成果を積極的に取り入れ、施工方法の改善等によりコストダウンを重ねながら着実に工事を進めていきます。

大規模改修工事

在来線

災害対策をはじめとした様々な取組み

当社の在来線は、都市部だけでなく急峻な自然斜面沿い等、多様な地形を運行しています。そのため、会社発足以来、災害対策として、落石対策や降雨対策等に尽力してきました。引き続き、落石検知網や防護設備の新設等の落石対策や、のり面の補強や排水設備の新設等の降雨対策等に取り組みます。また踏切保安設備についても、老朽取替等に合わせて引き続き改良を進め、より安全性を高めていきます。

地震対策のさらなる強化

東海道新幹線

脱線・逸脱防止対策

地震時の脱線による被害拡大を防止するため、脱線・逸脱防止対策を推進しています。車両の脱線そのものを極力防止する「脱線防止ガード」の敷設に加え、それを有効に機能させるための土木構造物対策を進めており、2028年度までに全線への対策が完了する見込みです。なお、万が一脱線した場合に、車両の大きな逸脱を防止する「逸脱防止ストッパ」は、既に当社保有の全新幹線車両に設置済みです。

脱線防止ガード

構造物の強化

当社では、地震時に長期にわたり新幹線が不通になることがないよう、各種土木構造物や建物の耐震化等に取り組んできました。

実施項目と進捗状況

列車をいち早く止めるための取組み

当社では、地震時の揺れをとらえ、送電を自動的に停止し、走行中の列車に緊急停止指令を出す地震防災システムを取り入れています。また、車両の「地震ブレーキ」の改良を行い、地震発生時における停止距離の短縮に取り組んでいます。2020年7月に営業運転を開始した新型新幹線車両「N700S」は、ATCとブレーキシステムを改良し、停止距離をN700A3次車よりもさらに約5%短縮しました。

他社に先駆けて1992年に「地震動早期検知警報システム(ユレダス)」を導入した後も、2005年に「東海道新幹線早期地震警報システム(TERRA-S:テラス)」を導入し、また、2019年4月には新たに海底地震観測網情報を活用するなど、警報の早期化等の強化を続けています。

東海道新幹線早期地震警報システム(テラス)

在来線

構造物の強化

在来線においても地震による影響を最小限のものとするために、各種構造物の耐震補強を実施しています。

実施項目と進捗状況

「ピーク時1時間あたり片道列車本数が10本以上の線区」及び「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」等について、対策を実施

列車をいち早く止めるための取組み

在来線においても、前述の地震防災システムの情報を活用し、地震時の初期の微弱な揺れをとらえ、影響が大きいと判断される区間の列車の運転台に警報を鳴動させ、警報を受けた運転士は直ちにブレーキをかけて列車を停止させます。さらに、2016年度から、沿線地震計の機能強化に取り組んでおり、従来よりも早く列車に警報を発信できるようになります。

東海道新幹線/在来線

駅天井の地震対策

駅の安全性を高めるため、お客様のご利用が多い駅の吊り天井(建物本体から吊り下げる構造の天井)について、2016年度から脱落対策を実施しています。建物本体と天井をワイヤーで強固につなぐ方法等により、天井の落下を防止します。新幹線全17駅と、お客様のご利用が1日1万人以上の在来線30駅を対象に進めており、2019年度末時点で新幹線3駅、在来線8駅の対策を完了しています。

脱落対策のイメージ

その他の自然災害への対応

地震以外にも津波、大雨、台風、降積雪等の自然災害による事故の防止も安全対策の重要な柱の1つとして位置付けており、様々な対策を実施しています。

津波対策

当社では、各自治体の津波ハザードマップをもとに、津波の到達が想定される区間を「津波危険予想地域」として定めています。津波の発生が予想されるときは、まずは「津波危険予想地域」へ列車を進入させない手配をとります。また、既に地域内にいる列車に対しては、地域外へ列車を移動させる、もしくは、お客様を安全な場所へ避難誘導するようにしています。また、その地域内には、避難すべき方向を示す「津波警標」を設置しています。さらに、乗務員に配布している在来線運転士用タブレット端末に最寄りの避難所までの避難ルートを表示させ、速やかに避難していただくための対策を実施しています。その上で、これらの取扱いが確実に実践できるよう、社員に周知徹底するとともに、地元の自治体や学校等とも連携して、実際の車両を使用した避難誘導訓練も行っています。

在来線運転士用タブレット端末による避難経路表示

雨対策

盛土や切取区間ののり面にコンクリート等の防護工や、排水を促進するための排水パイプ、土砂の流入を防止するための土砂止め工の設置を行うなどの対策を実施しています。また沿線に雨量計を設置し、雨量が規制値を超えると指令や駅等に自動的に警報を発し、列車を抑止または徐行させるなどの運転規制を行います。さらに2020年6月には在来線全線区へレーダ雨量を活用した運転規制を導入しました。これらの規制の解除は安全を確認した上で行っています。

のり面防護工

風対策

山あいや橋りょう上等、風が集中する箇所や突風の発生が予想される区域に風速計を設置し、風速が一定値を超えると指令や駅等に自動的に警報を発することで、雨の場合と同様、警報により列車の抑止や徐行等の運転規制を行います。また、地理的条件等により、一部の風速計には基準を超える風が吹いたときに、自動的に停止信号を表示する機能を付加しています。

風速計

落石、なだれ対策

落石やなだれが発生するおそれのある路線には、防護設備として落石止擁壁、落石覆い工、なだれ止擁壁等を整備しています。また、検知装置により落石やなだれが検知された場合には、列車を止めるなど、事故の未然防止に努めています。

落石止擁壁と落石警報装置

運行管理と安全対策

東海道新幹線

Crash Avoidance(衝突回避)の原則

東海道新幹線をはじめとする日本型高速鉄道システムにおいて安全を確保する上での最大の特色は、Crash Avoidance(衝突回避)の原則に基づいた運行管理システムを導入していることです。この原則は、平面交差のない高速旅客鉄道専用の軌道と、高速旅客列車同士の衝突と速度超過を防ぐATCシステム(Automatic Train Control、自動列車制御装置)の2つの仕組みにより、衝突の可能性を排除するという考え方です。

ATCの仕組み

新幹線総合指令所・運転管理システム

東京の新幹線総合指令所では各指令員が連携しながら、新幹線運転管理システム(COMTRAC)を中枢とする様々なシステムにより、列車の運転状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸送全体の統制と万全の安全管理を行うことで、新幹線の安全・安定輸送を支えています。
また、東京の総合指令所と同じ機能を持ち、同指令所が被災した場合に代替の指令所として機能する新幹線第2総合指令所をJR西日本と共同で大阪に設置し、異常時に対する危機管理体制を強化しています。

COMTRAC 列車の進路制御、列車の運転管理、乗務員(運転士、車掌)と車両の運用管理等を行うシステム。コンピュータに入力された各列車の運転条件(各駅の発着時刻、発着番線、列車順序等)に基づき、運行中の全ての列車状況を常時監視することができる。

「新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)」

架線等の電気設備や線路等の地上設備の状態を点検する車両として、当社では「新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)」を導入しています。700系をベースにしたこの車両は270km/hで走行しながら高精度に効率良く点検を行い、安全・安定輸送を支えています。

ドクターイエロー

在来線

ATS-PT(自動列車停止装置)

在来線ではATS-PTにより、列車から信号機や曲線、分岐器までの距離に応じて連続的に速度を照査し、列車が安全な速度を超える恐れのある場合には自動的に非常ブレーキをかけることで、安全を確保しています。ATS-PTは、当社の在来線全線区へ導入されています。

ATS-PTの機能

東海総合指令所(名古屋)・静岡総合指令所・運行管理システム

当社の在来線の運行管理は東海総合指令所(名古屋)及び静岡総合指令所が担っています。両指令所では、各指令員が相互に連携しながら、CTC(列車集中制御装置)等の様々なシステムにより、列車状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸送全体の統制と万全の安全管理を行うことで、在来線の安全・安定輸送を支えています。

CTC列車運行を効率的に管理するため、駅等の信号設備を一括して遠隔制御すると同時に、列車の運行状況をリアルタイムで監視する機能を持った装置。

東海総合指令所

「軌道・電気総合試験車(通称:ドクター東海)」

在来線の軌道・電気設備の保守管理については、「軌道・電気総合試験車(通称:ドクター東海)」により、効率的かつきめ細やかに設備の維持管理を実施しています。

ドクター東海

社員の安全確保に向けた取組み

安全衛生管理体制の仕組み

社員の安全確保も重要な課題です。当社では、労働安全衛生法に基づいて社内規程を定め、安全衛生管理体制を整備しています。各業務機関等においては、安全管理者、衛生管理者等を選任するとともに、業務における安全確保や職場の衛生管理に関して体制を整備し、きめ細やかな安全衛生診断を実施するなど、労働災害防止や作業環境の改善に積極的に取り組んでいます。さらに「安全監査」を通じ、法令・規程等の遵守状況、過去に発生した労働災害の再発防止対策の実行状況、労働災害を未然に防止するための取組みの確認を行っています。
また、全社をあげて安全衛生教育を推進しており、新入社員全員に対して総合研修センターで初任者安全衛生教育を実施するほか、業務の内容や役割、階層に合わせ、総合研修センターや各現場において、法令・規程等に関する座学教育に加え、器具や道具の使い方や労働災害の模擬体感等、必要な実技訓練による安全衛生教育を実施しています。
その他にも「安全のための本質を探究する運動」の展開、運転事故・労働災害防止エッセイ等の活用による意識啓発等、様々な活動を進めています。

安全のための本質を探究する運動

過去に発生した取扱い誤り事象や労働災害の原因を調べてみると、ルールや基本動作が必ずしも十分理解されていないために発生しているものが多くあります。そこで当社では2013年度から「安全のための本質を探究する運動」を全社的に展開しています。この運動は各現業機関等で行われている教育・訓練・勉強会に限らず日常業務のさまざまな場面において、「どうして「」どうなる「」どうする」の3つの「ど」をキーワードにルールや基本動作の本質を社員一人ひとりに考えさせ、理解させる取組みです。この取組みは、関係会社にも展開し、深度化を図っています。

「運転事故・労働災害防止エッセイ」

過去に発生した運転事故や労働災害は、自分とは無関係な他人事ではなく、「自分にも起こりうる身近なこと」として、その教訓を自らの行動に活かすことが大切です。先輩や後輩、同僚が過去に経験したこと、それをもとに考えたこと、感じたことを共有することが、社員一人ひとりが安全のための本質を理解する一助となります。そうした考えのもと、2014年度に社員よりこれまでの鉄道人としての体験をもとに考えたことや取り組んでいることを募集し、エッセイ集『その教訓を私たちの財産に』に纏めました。また、2016年度にはエッセイ集第2巻を発刊し、集合教育や職場内教育に活用しています。
さらにエッセイ集に記載された内容を中心に、そこに書ききれなかった想いを含めて、執筆者本人が直接伝えるための発表会をこれまでに3回開催しました。それぞれ会社幹部をはじめ300名を超える社員が聴講し、経験者の発する生の声が、臨場感と納得感を持って、聴講した社員の心に安全への強い想いを届ける機会としています。

運転事故・労働災害
防止エッセイ集

エッセイ発表(安全への取組み発表会)

事故防止に係るイラスト・写真・標語の募集

運転事故防止及び労働災害防止に関する社員の意識高揚を図るため、全社員を対象にイラスト・写真・標語を募集の上、同作品を活用したポスターを作成して社内関係箇所に掲出しています。なお、2019年度は、約4万5千点の応募がありました。

運転事故防止・労働災害防止ポスター

オールJR東海安全推進会議

当社の鉄道事業の一翼を担う関係会社(約150社)の社長や安全担当役員と当社幹部が一堂に会し、運転事故防止と労働災害防止に向け、お互いの協力体制を高めることを目的として、1991年以降「オールJR東海安全推進会議」を毎年開催しています。
2019年度は、本会議のテーマを「訓練で実行力を高める~訓練以上のことはできない~」としました。当社幹部による講演のほか、新幹線鉄道事業本部から「新幹線総合事故対応訓練を通じた異常時対応能力の向上」について、東海鉄道事業本部から「在来線電気部門における技術力No.1競技会と電気部の取組」について事例報告を行いました。
最後に、元東京ディズニーランド防火管理者の石井修一様から「ディズニーにおける安全意識の浸透とオペレーション体制の構築」と題して、東京ディズニーリゾートにおけるキャストの行動規範や訓練の具体的事例、防火管理・安全管理の体制構築等について特別講演をいただきました。
この会議を通じて、運転事故防止と労働災害防止に取り組むことの重要性を再認識するとともに、出席した各社が今後の事故防止の取組みのブラッシュアップに役立てています。

オールJR東海安全推進会議

多客期安全輸送期間の設定

ゴールデンウィーク、夏季、年末年始の多客期に「安全輸送期間」を設定し、社長をはじめ本社幹部等による安全総点検を実施するとともに、安全輸送対策本部の設置等、安全輸送体制の一層の強化及び社員の安全意識のさらなる高揚を図っています。

安全総点検

安全関連データ集

鉄道運転事故の発生状況

鉄道運転事故
列車事故:列車の衝突、脱線、火災事故
鉄道人身傷害事故:列車又は車両の運転により人の死傷を生じたもの
踏切障害事故:踏切において列車又は車両と歩行者又は自動車等とが衝撃したもの
鉄道物損事故:列車又は車両の運転により500万円以上の物損を生じたもの

輸送障害の発生状況

輸送障害鉄道運転事故に該当しないもので、列車の運転を休止したものまたは、旅客列車が30分以上(旅客列車以外の列車は1時間以上)遅延したもの

労働災害の発生状況(当社・関係会社)