経営体力の再強化

新型コロナウイルス感染症の発生を受けた外出及び移動の自粛等の影響により、引き続き極めて厳しい経営環境が続いていますが、お客様に当社の鉄道を安全に、安心してご利用いただくため、感染拡大防止を図りながら輸送機関としての使命を果たしています。加えて、今回のコロナ禍で受けた大きなダメージを挽回し、将来にわたって、当社グループが社会的使命を果たしていくため、経営体力の再強化に挑戦しています。

コロナ禍における取組み

東海道新幹線については、お客様のご利用状況を踏まえて「のぞみ12本ダイヤ」を活用するなど十分な輸送力を確保しつつ、車内の換気、駅や列車のお客様が手に触れやすい箇所の定期的な消毒及びお客様と接する社員のマスクの着用等、感染拡大防止に取り組むとともに、駅のデジタルサイネージ等でピクトグラムや動画を用いてお客様へわかりやすくご案内しています。在来線についても、お客様に安心してご利用いただけるよう感染拡大防止に取り組み、お客様のご利用状況を踏まえて十分な輸送力を提供しています。
また、感染拡大防止に十分注意しつつ、「定番」から時間、場所、旅先での移動手段や行動をずらしたこれからの新しい旅として「ずらし旅」の提案による需要喚起を図っています。

経営体力の再強化

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により人と人との接触が大きく制約される状況は、ワクチン接種や治療薬の進展によって、やがて収束を迎えると想定されますが、この間に進んだテレワークやWeb会議等の普及や旅行予約のネットへの大幅なシフト等の変化は、合理的なものについてはコロナ禍が収束した段階でも残ると考えられます。コロナ禍は、こうした変化を加速させた面がありますが、当社は、この変化を受け止め、自らの力で今回の経営ダメージを回復し、将来にわたって社会的な使命を力強く果たしていくために、「ESG経営」の好循環を再構築すべく、業務改革と収益の拡大からなる「経営体力の再強化」に挑戦しています。

業務改革の推進

経営体力の再強化の1つの核となるのが、「業務改革」の取組みです。部署・系統・グループ会社を横断して取り組んでおり、グループの総力を結集して徹底的に効率的な仕事の進め方を追求していきます。状態監視機能の拡充による車両・地上設備の検査の省力化、車両の置換・検査周期の延伸による更新投資等の縮減及び検査の省力化、AIによる画像認識技術の活用による設備検査等の省力化等を進めるなど、ICTをフルに活用し、そのために必要な技術開発や設備投資を行った上で、最も望ましい業務体制を構築することで今後10~15年かけて新幹線・在来線に関わる当社単体の定常的な費用の約1割に当たる800億円程度を削減することを目指すとともに、設備投資のコストダウンも実現していきます。

AIによる画像認識技術の活用

収益の拡大に向けた取組み

収益の面でも、お客様の動向やニーズをこれまで以上に丁寧に把握・分析し、新たな視点・柔軟な発想から収益の拡大に取り組んでいきます。例えば、コロナ禍で注目された「場所を選ばず仕事をする」スタイルに対応するために、東海道新幹線のビジネス環境を整備する取組みを進めています。また、新幹線とホテル、旅先の交通手段、観光プラン等、ご旅行全体をEXサービス会員限定サイトからシームレスに予約・決済できる「EX-MaaS(仮称)」について、2023年夏を目途にサービス開始すべく準備を進めています。
加えて、グループ事業についても、鉄道との相乗効果をアドバンテージとしながら収益を上げる力を高めるとともに、鉄道に依存しない収益力の強化も図っており、2021年7月には、日本最大級の高級時計売場「ジェイアール名古屋タカシマヤ ウオッチメゾン」を大名古屋ビルヂングに出店しました。